理念

人に近付くテクノロジと、その課題


ハードウェアの進化とソフトウェアの発展で、コンピュータ周辺のテクノロジは大きく変わってきました。たとえば近年では、いわゆる「ビッグデータ分析」が注目されるようになり、インターネット上のサービスにおいて利用者のログを収集・分析した結果をリアルタイムに反映させるなども珍しくなくなってきています。コンピュータは今後、人間の指示を受けて動くのでなく、自発的に動く時代になってくるでしょう。そして人間の活動に応じて、さまざまな利便性を提供するよう、人間に寄り添うものになっていくはずです。

反面、このようなテクノロジーには、いくつかの課題もあります。たとえば、利用者が想定していない、あるいは区別しておきたい部分まで、容赦なく関連づけられてしまうプライバシーの問題。また、単一のサービスでより多くの利用者に合致させようとするあまり、一部の利用者にとっては必要としていないことまでシステムから提案され、かえって不快感を覚えることもあるでしょう。ビッグデータに代表されるテクノロジーは、マスを対象とした仕組みとして作られていますが、人間の個性は非常に幅広く、必ずしも全てを網羅できるとは限らないのです。


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マス志向で見落とされているものを目指す


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当社では、そうした傾向に懸念を抱いています。民生向け電子機器によく見られる傾向ですが、多くの利用者の声を集めて全てに対応させようとするあまり、膨大な機能を盛り込んでしまい、むしろゴチャゴチャして使いづらくなってしまったり、面白味に欠ける製品・サービスを作り上げてしまうことがあります。数値や文字にできる部分にばかり注目してしまい、数値や文字として把握できない部分を見落としているのではないでしょうか。マーケティング調査や利用者によるテストなどは、製品やサービスをより良いものにしていくために有効な手法ではありますが、そうした手法を節操なく用いてはいないかどうかは、作り手の立場としては常に自問自答していなければならない点であるはずです。

そもそも、より多くの顧客を獲得しようとする基本姿勢そのものが、「面白くない」「使いづらい」結果をもたらす根本的な原因であるのかもしれません。企業活動として、より多くの顧客を獲得することは重要ですが、現状のITや情報家電など民生向け製品・サービス全体を見渡すと、マス分野への志向ばかりが目立ち、逆にニッチ分野へのアプローチが足りていないようにも思うのです。既製品のマス向け製品・サービスでは足りない、あるいは過剰すぎると感じる人たちは、決して少なくないはずです。その見落とされてきたニッチへ向け、言うなれば“尖った”人たちのニーズにフィットした製品・サービスこそ、これから我々が目指すべき分野だと考えています。

このニッチ分野には、ニッチなニーズを持つ人たちと同様の、鋭い感性が必要です。また、人に寄り添ったものとするためには、特に“無駄を省く”ことが重要です。例えば、余計な機能があると、それがむしろ利用者にとって目障りになってしまいます。人に近付くには、そうした違和感を可能な限り減らしていくことでもあります。いかに空気のような存在になれるか、ユーザー体験(User eXperience:UX)デザインも、我々の挑戦の一つです。



規模は小さくとも領域は広く


我々は小さな企業ですが、こうしたニッチ市場へ向けた製品・サービス開発に向けての体制作りを進めています。特に近年では、尖った感性や技術を持つ、様々な分野の中小企業どうしの連携・協力体制に注力しています。それぞれ異なる技術を得意とする会社が連携し合うことで、大企業には不可能な、ニッチで尖った製品・サービスを作り上げることが可能となるはずです。

当社の対応領域は、ハードウェアとソフトウェアの両面に及んでいます。その両方を持たねば実現できないような分野、ハードだけでは高価になりすぎる、ソフトだけでは欲しい情報が取れない、そういったフィールドが、今後の当社のフィールドであると考えています。

今現在の弊社のビジネスの主力はお客様とともにプロダクトを作り上げる、受託系開発が主となっています。この軸は今後も短期的には変わることはありませんが、今後はより「発注元・発注先」の関係から、お互いを尊重し合える「パートナー」としての関係を築いていけるようにしたいと考えております。

今後とも、センシグナルをよろしくお願いいたします。


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