Ver0.1 2021/03/29 初版

はじめに

この度はTINY EXPANSION BOARD for Spresense(以下本ドキュメント中では本製品と記載します)をお買い上げ頂き誠にありがとうございます。

本製品は、SPRESENSE™[1] … Continue readingメインボードとほぼ同じ寸法で、IOを使いやすく拡張するためのボードです。

本製品の特徴

  • SPI、PWM、ANALOG、I2C、UARTをSHケーブル経由で取り出すことのできる最小[2]2021年4月発売時現在の拡張ボード
  • 広い電源電圧(3V〜20V)でSpresenseを動かすことができる
  • 抜けにくいMicroSDカードスロットがあり、振動による抜けなどの事故を起こりづらくすることができる
  • GPSアンテナへの干渉を避けた基板設計
  • 省電力設計
  • リチウム系バッテリー使用時、バッテリーの過放電や異常動作を防止するためのUVLO[3]Under Voltage Lock Out; 低電圧誤動作防止機能を装備

本製品をお使いになる前のご注意

  • 本製品を使うには、電子回路についての一般的な知識が必要です。
  • 本製品を使うには、Spresenseの基本的な知識が必要です。また、本製品の説明ではSpresenseの一般的な説明は行いません。SpresenseについてはSpresenseのサポートサイトをご参照ください。
  • Spresenseと本製品の間のコネクタは繰り返し挿抜を想定したコネクタではありません。何度も抜き差しを行うとコネクタが破損する可能性があります。これは仕様ですので、コネクタの接触不良に起因する不具合は対応いたしかねますのでご留意ください。
  • 本製品は静電気に弱い部品が搭載されています。製品に触れる際には静電気対策を行ってください。
  • 電源の正負の間違いや定格を越える信号の印可などは本製品のみならず接続されている機器の破損などに繋がりますのでご注意ください。
  • 本製品は一部ソルダジャンパをショートすることで機能を設定できますが、ソルダジャンパを変更するなどの「改変」を行った場合、返品は承りかねますのでご留意ください。
  • 本製品は一般用途品です。故障により人体や財産への被害が想定される装置に用いることは想定していません。

組み立てる前に

本製品には固有の機能を固定するためのソルダジャンパ[4]はんだで設定を変更するジャンパがあります。このソルダジャンパは組み立て後には変更が困難な場所にあります。後述するソルダジャンパの項をご確認いただき、先にソルダジャンパの設定を変更の上、組立を行ってください。

組み立て方

製品と付属品を確認します

本製品の標準セットには下記の内容物が入っています。

電源用PH 2Pケーブル 1本
SH 4Pケーブル2本
SH 6Pケーブル2本
SH 7Pケーブル1本
専用スペーサ 4個

STEP
1

必要であればソルダジャンパ変更を行います

ソルダジャンパのはんだ付けについては「加工・改変」にあたりますので、はんだ付け後の返品はお断りしております。また、はんだ付け作業により発生した障害・故障については保証対象外となります。ご理解ご了承の上作業ください。

ご注意

ソルダジャンパとその直上のUSBコネクタの間のクリアランスは極めて小さいため、ソルダジャンパ改変の有無にかかわらず、ソルダジャンパ上面をテープなどで保護することを推奨します。

STEP
2

Spresenseと組み付けを行います

Spresenseの標準拡張ボードと同様に、本ボード側に先に専用スペーサを取り付けて、そこにSpresenseを取り付ける順番で組立を行ってください。
(参考: ハードウェアガイド )

※本製品にはSpresenseは同梱されていません。別途お買い求めください。

STEP
3

PCと接続してプログラムを書き込みます

PCと接続し、プログラムを書き込んでお使いください。

ヒント

Spresenseと本製品と組み合わせた状態で、SpresenseとPCを接続する場合、幅10mmより外形が大きいUSB Micro Bコネクタは使えない場合があります。コネクタ外形が小さめのUSB Micro Bコネクタを選定してご使用ください。

STEP
4

PHコネクタから電源を供給して単体で使う

電源は、SpresenseのUSBコネクタと本製品のPHコネクタどちらからでも給電することができます。
本製品のPHコネクタより給電する場合、電源は3〜20VのDC電源を用意してください。
本製品は電源スイッチはありません。本製品に給電を開始するだけで、自動的にSpresenseへの電源供給が開始されます。

警告

PHコネクタからの給電時、電圧上限を超えたり、逆接続すると破損しますのでご注意ください。

STEP
5

ピン配列・IOについて

ピン配列

ペリフェラルごとの機能

PWM

PWM0〜3ピンです。Arduino環境ではD3,D5,D6,D9としてGPIOとして使うこともできます。

SPI4

SPI4ピンです。Arduino環境では、D10,D11,D12,D13としてGPIOとして使うこともできます。

UART2

UART2ピンです。

ANALOG

アナログ入力ピンです。AINnのn番目、と、Arduino環境でのピン番号がずれていることにご注意ください。(SONY純正拡張ボードと同じように合わせてあります)
入力部の回路についても、SONY純正拡張ボード同等の回路になっていますので、5Vフルスケールで入力することができます。(参考: A/D変換器の使用方法 )

I2C0

I2C0です。2つコネクタがありますがどちらも並列して同じ物が出してあります。

IOについて

IOはアナログを除き全て3.3V(標準)にレベル変換されています。
VIOから電源を取ることも可能ですが、Spresenseの消費も含めて500mAが上限です。電源が3.7Vを下回るとより上限が下がりますので余裕を持った設計を行ってください。

MicroSDカードの使い方

本ボードでは、SONY純正の拡張ボードと異なり、本製品はCD(Card Detect)は常時ONになる実装になっています。また、省電力のためにMicroSDカードへの給電はデフォルトではOFFになっていますので、アクセス前には下記コードにてMicroSDへの給電を開始し、MicroSDを初期化してからアクセスしてください。また、ファイルをオープンしたままの電源OFFはファイル破損のおそれがありますので、かならずクローズ後に電源を切るようにしてください。

ライブラリ

#include <arch/board/cxd56_sdcard.h>
#include <arch/board/board.h>

// 電源制御関数
// 3.3V供給のON/OFFを行います
void power_3v3(boolean is_enable)
{
  if(is_enable == true) {
     board_power_control(PMIC_GPO(0), true); 
  } else {
     board_power_control(PMIC_GPO(0), false);
  }
}

// SDカードの電源のON/OFFを行います
void power_sdcard(boolean is_enable)
{
  if(is_enable == true) {
    board_power_control(PMIC_GPO(5), true); 
  } else {
     board_power_control(PMIC_GPO(5), false);
  }
}

使い方

// SDカードを起動する
  power_3v3(true); // 3.3VをON
  power_sdcard(true); // SDカード電源をON
  delay(1000); // 電源電圧安定待ち(※要実機テスト)
  board_sdcard_initialize(); // SDカードライブラリを初期化

電源電圧の読み出し方

電源電圧は、本ボード上のソルダジャンパをショートすることで、AIN2(Arduino環境での A0 )ピンから読み出すことができるようになります。

電圧はソルダジャンパがショートされていれば、下記コードで電圧で読み出すことができます。

    float voltage = analogRead(A0) * (25.9 / 1024.0);

技術資料

ソルダジャンパについて

UVLOを設定する

UVLOはリチウムイオン電池の1S〜4Sを想定した値で設定できるようになっています。

UVLOジャンパ場所
UVLOジャンパの場所

標準ではOFFの箇所がはんだで接続されていますが、変更する場合はそこのはんだを吸い取ってから、他の必要な電圧の部分をはんだでショートしてください。
左から順に、OFF、3V、6V、9V、12VでUVLOが働き、動作を停止します。

警告

必ずどれか1つはショートしてください。また、複数ショートすることは避けてください。挙動が保証できません。

バッテリー電圧の読み出しを有効にする

バッテリー電圧読み出しジャンパの場所

バッテリーの電圧を読み出したい場合、上記のソルダジャンパをはんだでショートしてください。それにより、バッテリー電圧読み出し機能が有効になります。

警告

このジャンパをショートした場合、AIN2(Arduino環境でのA0)は使わないでください。挙動が保証できません。

消費電力について

Spresenseに何ら改造を行わず、下記コードにてDeepSleepを行った場合で、5V給電時の消費電流は下記画像のようになりました。
温度などの環境によって大きく変わる可能性がありますので参考値としてご覧ください。

#include <LowPower.h>
#include <RTC.h>

void setup() {
  LowPower.clockMode(CLOCK_MODE_32MHz);
  RTC.begin();
  Serial.begin(115200); 
}

void loop() {
  Serial.println("TRIG");
  sleep(1);
  LowPower.deepSleep(1);
}

不具合かと思ったら

不具合の可能性がある場合、販売店ないしは当社ウェブサイトの製品に関するお問い合わせページよりお問い合わせください。

なお、Spresenseメインボードはその設計上、繰り返し拡張基板への挿抜を行う設計になっておらず、当社での実績では20回程度の挿抜でコネクタが傷んでしまった例があります。
その場合は不具合ではなく保証対象外となりますのでご了承ください。また、基本設計の方針はSONY純正拡張ボードに意図して近づけています。純正拡張ボードでの挙動同等の場合、特に明記ないものについては不具合ではないと判断することもありますのであらかじめご了承ください。

免責事項

  • 本ボードを子どもの手の届くところに置かないでください。
  • 本ボードをペットの届くところに置かないでください。
  • 本ボードを用いる場合には、安全設計、寿命設計は利用者の責任において行ってください。故障をはじめとする想定外の動作をした場合の事故や、それに起因するしないに関わらず利用者が負った損害について、当社は一切の責任を負いかねます。
  • 本ボードは高い信頼性を要求される用途に使われることを意図して設計していません。医療、軍事、航空宇宙、原子力、運輸、移動体、安全装置への利用はしないでください。
  • 本ボードの製品仕様、使用部品、本説明書は改良のため予告なく変更することがあります。

各種権利

  • 本説明書の文章、本説明書で利用している写真・図版の著作権は弊社が保有します。本説明書の一部または全部を当社の事前承諾なしで、いかなる形でも転載、複製することをお断りします。
  • 本説明書中の製品名、規格名、会社名は各社の商標、または登録商標を含むことがあります。TM、Rマークは一部省略しています。

改版履歴

Ver0.1 2021/03/29 初版

注)

注)
1 SPRESENSEおよびSpresenseロゴはソニー株式会社の登録商標です。本製品ではソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社とのロゴ使用許諾契約に基づきロゴを使用しています。
2 2021年4月発売時現在
3 Under Voltage Lock Out; 低電圧誤動作防止機能
4 はんだで設定を変更するジャンパ